厳しい練習の中で、お昼休みは緊張が解ける大事な時間です。
中にはグラウンドでは聞いたことのない大きな声で「いただきます!」という子もいたり、意外な一面を覗ける時間でもあります。お母さんに作ってもらったオニギリを頬張りながら、5年生の仲良し3人組で話題になっていたのは野球を始めた理由でした。興味深く聞き耳を立てていると、「勧められたから」「体力作りのため」「なんとなく」「土日の時間潰し」と赤裸々な意見の数々。「ん?」と思うところもありましたが、自分の子供もそう変わらないかと、どこか納得してしまいました。
始めた理由はそれぞれと思いますが、せっかくチームとして集まったメンバーなので、勝利への思いをひとつにプレーして欲しいなと思います。そのうち、野球を続ける理由として「楽しいから」「仲間のため」「成長を実感できるから」なんて声が聞こえたら嬉しいなと思います。
みゆき野球部では、お昼ご飯にオニギリのみを持たせるようお母さん達にお願いしています。この方針を聞いた時、栄養に偏りが出るんじゃないかと心配になりましたが、調べてみると栄養学的に理にかなっていることがわかりました。
本によると野球少年(9〜11歳)のごはんの量の目安は1日あたり大茶碗3杯+αだそうです[1]。この量は意識しないとなかなか食べられない量で、野球少年は慢性的な炭水化物不足に陥っていると言えます。また、子供達が大好きな卵や肉などのたんぱく質については、放っておいても充分な量を食べてくれますので、野球する日のお昼ご飯がオニギリだけでも栄養に偏りが出ることはないと理解しました。加えて、オニギリは脂肪が少ないので胃への負担が少なく、練習の合間・試合前の栄養補給に適しているそうです[1]。
やはり体の大きい子がいるチームは強いので、たくさんオニギリを食べて、体を大きくして、強いチームになって欲しいなと思います。
グラウンドでは父親達が一緒に体を動かしますが、子供達が成長を認めて欲しいのはやはりお母さん。同じオニギリでも、握って欲しいのはやはりお母さん。野球少年の父として、子供達のやる気を引き出す力はお母さんに敵わないなと感じたお昼休みでした。
参考文献
[1] 海老久美子, 野球食Jr., ベースボールマガジン社, 第1版第11刷, 2018年5月.